BEAMは2019年BEAM CoreとBEAM Complianceという2つのコンセプトを発表しました。各国の規制とルールに遵守しながらも、ライトニングネットワークやアトミックスワップ、秘匿可能なトークンなど期待が高まるロードマップとなっています。記事ではこれらの詳細と全貌をお伝えしたいと思います。
BEAMのロードマップの全貌
BEAMから2019年のロードマップの発表がありました。同社は複数の企業や個人ののために機能する通貨を目指しており、活気に満ちたエコシステムを構築し、使いやすさの向上と市場の採用を拡大し、世界のインフラストラクチャを目指します。
BEAMプロジェクトの主要な活動は2つのカテゴリーに分類されています。
- BEAM Core
- BEAM Compliance
順番にその中身を説明していきたいと思います。
BEAM Core
ネットワークの維持と改善に重点を置くことで、市場に普及させるために開発を中心としています。
BEAMは2019年のロードマップ5つに分類しました。
- Agile Atom
- Bright Boson
- Clear Cathode
- Double Doppler
- Eager Electron
BEAM Coreの中の5つの分類として順番に説明していきます。
Agile Atom
2019年1月 – 2月
- ドキュメントの完成
- エコシステムに関するAPIの完備を目指す
- ライトニング・ネットワーク実装に向けた研究
ライトニング・ネットワークを実装することで、高速なトランザクション処理が可能となりスケーラビリティの向上に繋がります。BEAMのTPS(処理速度)は1秒あたり17トランザクションと言われており、ライトニング・ネットワークを使用することで、数万規模の処理速度に達することが可能となります。
Bright Boson
2019年3月
- BTCとのアトミックスワップを実装
アトミックスワップが実現することで第三者不要でBTCとの取引が実現します。
- ハードウェアウォレットへの対応
Mimblewimbleは仕組みがその他の暗号通貨プロトコルとは異なります。ゆえにハードウェアウォレットに対応するための特別なサポートが必要になります。
- Androidウォレット β版
2月にベータ版がリリースされ、3月末までにローンチ予定です。
- ライトニング・ネットワークのPoC実施
PoCとは、Proof of Conceptの略で、「概念実証」という意味です。新しい概念や理論、原理、アイディアの実証を目的とした、試作開発の前段階における検証やデモンストレーションを指します。
- BTCpayを含む決済プラットフォームへの実装
BEAMでの支払いを簡単に受け付けることができるように、BTCPayおよびその他のサービスと統合するように努めるとのことです。
Clear Cathode
2019年6月
- マイニングアルゴリズムの変更
- iOSウォレット
Androidウォレットに続いてのローンチ予定です。
- マルチシグサポート
マルチシグ対応することでエスクローサービスが可能となります。
- アトミックスワップ対応の取引マッチングボード
注文を管理して流動性を高めるためのマッチングボード。
- ライトニング・ネットワーク α版
α版はまだ機能が不足している試作品として、β版の1つ前の段階のことを指します。
Double Doppler
2019年9月
- 代替的コンセンサスアルゴリズムの研究:
ナカモトコンセンサスに変わる新たな合意(コンセンサス)GhostDAGは非常に有望とのことです。
- ノードの増加
ノードの採用を増やし分散化を目指す。
- ウォレットセキュリティの強化
二要素認証と表示専用、受信専用、および使用制限のあるウォレットを開発
- ライトニング・ネットワーク β版
Eager Electron
2019年12月
- PoWアルゴリズムの変更
2回目で最後となるハードフォークによるマイニングアルゴリズムの変更。
- I2P/Tor の対応
プライバシーを向上させるために、TorおよびI2PネットワークでBEAMノードとウォレットを実行できるようにする予定です。
- Boneh-Lynn-Schaham (BLS) の採用
Boneh-Lynn-Schaham(BLS)シグネチャはシュノア署名よりもコンパクトでシンプルなマルチシグ実装が可能です。
- 代替コンセンサスアルゴリズムの研究
調査に基づいた概念実証を行います。
- メインネットでLightningの正式リリース
BEAM Compliance
監査とコンプライアンスに重点を置くことで、各国の規制に遵守し連携していくことを中心としています。
Beam Complianceにより、BEAMの取引を完全に機密にしておくことができますが、ユーザー自身が開示の選択をすることができ主権を握ることができます。これを実現するために同社は様々な金融界と暗号通貨界とパートナーとして協力していきます。
Q1では適切なパートナーを選定して、ユースケースと規制環境および市場投入戦略の定義について議論をします。
Q2ではCompliant WalletのPOCをリリースします。
Q3ではフィードバックに基づいて、当社の準拠Walletのα版および規制とインターフェースのα版を作成およびリリースします。この時期から規制当局へのアプローチも開始します。
Q4では監査用インターフェースをローンチします。また2020年に向けての準備をします。
この他にもProject Luminiにも重点をおいた活動をしていくとのことです。
Project Lumini
Beam CoreとBeam Complianceに加えて、Project Luminiにもいくつかのリソースを投資することを公表しています。
Project Luminiとは、BEAMのサイドプロジェクトでイーサリアムのブロックチェーン上で独自のトークンを発行することができ、Confidencial Assetsの機能を有しているため機密性の高いトークン生成が可能になります。Confidencial Assetsによって取引をしている者同士しか取引数量を知ることはできず匿名性の向上に繋がります。
Project Luminiの目標は、BEAMブロックチェーンと1つ以上のスマートコントラクト間のブリッジを作成することで、他のチェーン上のアセットをBEAMのチェーン上で発行して、MWで秘匿アセット化することで資産のプライベートを守ります。
サイドプロジェクトには他にも、BEAM Lightningというものがあります。
これはBEAMにライトニング・ネットワークを実装することを目的としています。ライトニング・ネットワークによる処理が実現することでTPS(処理速度)を向上させることが可能となります。現在のTPSは1秒間に17トランザクションと見積もられています。
まとめ
とにかく魅力的な技術は盛りだくさんで期待が大きく膨らみます。期待値だけ上げて実装できず延期がセオリーなこの界隈ですが、イスラエル出身者が多いBEAMの開発陣の技術の高さはコードレビューワーの称賛からも界隈では有名になっています。
多くのプロジェクトが国毎の規制やスケーラビリティに悩まされていることを考えると、あらかじめそれを念頭において進めることのできるBEAMのロードマップのスピード感にも納得がいく部分があります。
メインネットがローンチされてから約3週間たった今、筆者も様々なBEAMコミュニティーに属しながら、その対応の迅速さと盛り上がりには感心するばかりです。まだ始まったばかりのプロジェクトですが2019年の躍進を応援したいと思います
BEAMについてもっと知りたい方はこちらもご覧下さい。
[blogcard url=”https://coinpicks1.wordpress.com/beam/”%5D
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