Braveブラウザは、2019年1月15日に広告配信とBasic Attention Token(ベーシックアテンショントークン(BAT))のテスト機能を実装したことを発表しました。このタイミングで改めて「ユーザー」と「サイト運営者」と「広告主」の立場からBraveブラウザについて俯瞰してみたいと思います。
Braveブラウザを俯瞰
Braveブラウザは、2019年1月15日に広告配信とBasic Attention Token(ベーシックアテンショントークン(BAT))のテスト機能を実装したことを発表しました。
ところでBraveという分散型検索ブラウザをご存知でしょうか?
まずはWikipediaより引用させて頂きます。
Brave 0.8.2のスクリーンショット
Brave(ブレイブ)は、Brave Softwareによって開発されているウェブブラウザである。Chromiumをベースとしており、Windows、macOS、Linux、iOS、Android版が存在し、オープンソースで開発されている。広告ブロック機能を標準装備し、ブロックした広告の代わりにBraveが別の広告を挿入し、その収益をウェブサイト、Brave、広告代理店、ユーザーの4者に分配するという特異なビジネスモデルを持つ。広告をブロックすることによって、高いパフォーマンスを実現できることも売りにしている
要するに広告ブロック機能をデフォルトで備えた高速検索プラットフォームなのです。
ホーム画面では、このようにネットサーフィンによってブロックされた広告の数と、それによって削減された時間が表示されています。
GoogleやYahoo!を使用してネットサーフィンしていると、本人も気付かないうちに広告のターゲットに選定され脳内にアンカリングさせれるような仕組みになっています。このBraveブラウザを使用してみると、インターネット内には想像以上に広告で溢れていることに気づくことができる良いきっかけになります。
しかし、デフォルトで広告ブロック機能がONになってはいるものの、あえてこれをOFFにして広告を見ることでユーザーは、Basic Attention Token(ベーシックアテンショントークン(BAT))を得ることができます。これはBraveが目指している分散型広告システムという仕組みによるものです。
BraveはGoogleやYahoo!のような中央集権的な機関を排除することで、ユーザーとサイト運営者と広告主で自立した広告収益モデルを構築を目指しています。それぞれの立場でどのようなメリットがあるのかを下記に説明します。
ユーザー
まず核となる高速ブラウジングですが、デスクトップで従来の2倍速く、モバイルで最大8倍速くページをロードできると公式は言っています。実際に筆者も使用してみたのですが、確かに早い印象がありスムーズにネットサーフィンができました。
そこでブロックされた広告の数や、それによって削減された時間を確認するのもなかなか面白いです。
しかし、その広告をあえて表示して見ることでBraveならではのメリットも存在します。
広告主はBATトークンを支払うことで広告をブラウザ上に出稿することができます。ユーザーはその広告をブロックせずにあえて見ることで、ブラウザに統合されたBrave Rewardsを通じて広告による収益を受け取ることができます。Braveの広告ブロックという核の機能をうまく活用することで、ユーザーにとって広告をみるインセンティブが形成されました。(この機能はまもなくベータ版が発表されます。)
実際にどれほどの収益を得ることができるのでしょうか。
Braveのロードマップから説明したいと思います。
Phase 1: User Ads
ユーザー広告の広告収入の70%を受け取ります。
Braveは残りの30%を受け取ります。
Phase 2: Publisher-integrated Ads
サイト運営者とコンテンツ制作者に収益の70%を付与します。
また、収入の15%は広告を表示して利用するユーザーに割り当てられ、残りの15%はBraveに割り当てられます。
サイト運営者
サイト運営者はブラウザ上で有益な情報を提供することで広告主からのBATトークンを受け取ることができ、その報酬をGoogleやyahoo!のような中央集権的な機関に搾取されることなく、与えられる利益の100%を得ることができます。
また、BraveブラウザにはBrave Rewardsという「投げ銭機能」があり、ユーザーが良いと思ったウェブサイトや動画などのコンテンツにBATトークンを付与することもできます。これは一回だけの投げ銭から月額固定の投げ銭まで設定することができ、サイト運営者が良いコンテンツを製作するインセンティブとなります。
広告主
広告主はユーザーとサイト運営者にBATトークンを支払うことで広告を掲載できるようになります。筆者も調べきれていませんが、GoogleやFacebookのように中央集権的な機関が行った検閲(仮想通貨の広告を禁止みたいなこと)ができないシステムであれば一定の需要が生まれるような気はしています。しかし、それ以上にBraveを使用するユーザー層が拡大していかなければ広告主にとっては、わざわざBATトークンを用意して広告を出稿するインセンティブがありません。
Brave使用ユーザー数は、2018年初頭の月間アクティブユーザー数は100万人で現在は550万人(2019年1月15日)を超えているとのことです。Google I/Oカンファレンスでの発表でGoogle、Androidの月間アクティブユーザーは20億人を超えたと発表があり大きな壁を感じます。(ローンチしたばかりなので当然といえば当然なのですが…)
まとめ
中央管理者を排除するといったコンセプトかつ分散型ブラウザというポジョンでいえば、Braveのポジションは確立されてきており、広告ブロックと高速ブラウジングというプロダクトの強みは十分発揮できているという印象です。広告モデルが今後ユーザーとサイト運営者にどのようなアプローチになっていくのかは非常に興味深く、暗号通貨プロジェクトの中で数少ないトークンの実需を生み出せるかが大きなポイントになってくるかと思います。
BATのトークン付与機能が動き出したとのことなので、筆者ももう一度Braveでネットサーフィンしてみようと思います。
Brave公式はこちら
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