仮想通貨ウォレットの規制状況について
現状としてウォレットに関する規制が整っているとはいえず、今後の金融庁の方針としてはウォレット事業に対しても、以下のような交換業に課せられる規制と同じような規制をかけていくとの認識が示されています。
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仮想通貨ウォレットの規制状況について
仮想通貨ウォレットの種類は以下の4つになります。
- ウェブウォレット(web型)
- ソフトウェアウォレット(アプリ型)
- ハードウェアウォレット(クライアント型)
- ペーパーウォレット
他の仮想通貨と交換できる機能を備えている場合ウォレット業者は仮想通貨交換業のライセンスが必要になる可能性があります。仮想通貨交換業とは、以下に該当する企業を指します。
- 仮想通貨の「売買・交換」
- それに関する仮想通貨の「管理」をします。
ウォレット事業が仮想通貨交換業該当する場合、ライセンスが必要な上に以下の規制を課せられることになります。
- 財務規制
資本金が1,000万円以上であることや純資産額がマイナスでないことが必要になります。 - 行為規制
ユーザー情報の保護と安全性とそれに関する説明義務が整備されている必要があります。また、ユーザー資産の分別管理が必要になります。 - 監督規制
帳簿書類の作成・保存義務や報告書の提出義務が必要になります。 - マネロン規制
マネロンなどの犯罪を防止するために、取引時における本人確認義務や疑わしい取引の届出義務などが必要になります。
仮想通貨交換業のライセンスの他に「資金移動業の登録」の必要性に関しても懸念があります。これに関しては、ビットコインなどの仮想通貨は法定通貨資金移動業の登録を受ける必要はありません。しかし、以下のような場合には例外的に資金移動業の登録を求められる可能性があります。
- ステーブルコイン
- 実質、現金を移動しているのに等しいケース
このように仮想通貨交換業のライセンスや資金移動業の登録が必要なウォレット業者というのは、該当する業者以外は不要となります。しかし、現状として規制が整っているとはいえず、今後の金融庁の方針としてはウォレット事業に対しても、以下のような交換業に課せられる規制と同じような規制をかけていくとの認識が示されています。
- 登録制
- 内部管理体制の整備
- 業者の仮想通貨と顧客の仮想通貨の分別管理
- 分別管理監査、財務諸表監査
- 仮想通貨流出時の対応方針の公表、弁済原資の保持
- 利用者保護又は業の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる仮想通貨を取り扱わないこと
- 顧客の本人確認(マネロン)、疑わしい取引の当局への届出など
Reference
https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20181112-2.pdf