cryptoeconomicsを理解する重要性

ゲスト紹介

Plasma を纏いながら cryptoeconomics について考えている鎖野郎です /
脳内: / CHIP:

こんにちわ。
CoinPicks今井涼二です。

CRYPTO STORY – 私のリアル

こちらの対談では、仮想通貨に関わる「個人」に焦点をあてて、知られざるその真実と裏側、そして、それぞれのストーリーに隠された秘話など、毎回多彩なゲストをお招きして、メディアでは決して見ることのできない「リアル」を、みなさんにお届けしたいとおもいます。

今回はゲストとして「(モトキチ)」さんをお招きしてcryptoeconomicsを理解する重要性について聞いて見たいと思います。

cryptoeconomicsの定義とはいったい何でしょうか?

また、源流を知ることは本当に重要なことなのでしょうか?モトキチさん宜しくお願い致します。

モトキチさんの正体を知る

今井
cryptoeconomicsの定義とはいったい何なのか、また源流を知ることは本当に重要なことなのでしょうか?

モトキチさん宜しくお願い致します。

モトキチ
こちらこそよろしくお願い致します!どうぞお手柔らかに

今井
まずはじめに、モトキチさんについて色々お伺いしたいと思います。質問に対してお答えできる範囲で宜しくお願い致します。モトキチさんはどこで何をされている方なのでしょうか?

モトキチ
大阪のとあるスタートアップで暗躍するハッカーです

主にPlasmacryptoeconomicsの領域にフォーカスしてリサーチに取り組んでいます。また、もともとエンジニアなので、リサーチにとどまらず、価値ある「プロトコル」を社会実装するところまでやりきるぞという気概で日々奮闘しております。

「個人」に焦点を当てるとのことなので敢えて蛇足していきますが笑、好物は音楽(雑食ですが、近頃はJapaneseHip-Hop)とシーシャと日本酒です。

若き頃は大学生のストリートダンスの全国大会で優勝したりもしましたが、最近は運動不足で弱っているので、ドンキの階段で脚を吊ります(事実)。

今井
モトキチさんのscrapboxには私も大変お世話になります。それにしても、なんとも多彩なプロフィールですね。”若き頃”というワードに凄く興味が湧いてしまって、モトキチさんに今おいくつなんですか?笑

モトキチ
一応まだ20代ではありますが、三十路の足音はもうすぐそこまで近づいてきていますね!笑

cryptoeconomicsの現状把握

今井
m0t0k1ch1さんが執筆された「トークンエコノミーとの関係性から考えるcryptoeconomist」には、cryptoeconomistと呼ばれる人が日本には少ないとあります。現状も変わらず少ないのでしょうか?

モトキチ
cryptoeconomicsを広義で捉えたとしてもまだ少ないかなと思いますが、興味をお持ちの方は増えているように思います。Twitterのプロフィールに「cryptoeconomics」という単語が入っている方からフォローいただくこともちょこちょこあります。

勿論、自分もまだ見習いレベルだと認識しています。

さらに狭義で考えると、個人として・経済学について学術的なバックグラウンドを有する・Blockchain領域のプロトコルに関してエンジニアレベルで理解している状態でやっと闘っていける世界だと思うので、現状は希少種で当然だとは思います。

今井
たしかに私もモトキチさんのscrapboxからcryptoeconomicsに関する記事を拝見させて頂いて、理解する為の前提知識(ゲーム理論・メカニズムデザイン・行動心理学)の多さは敷居が高いと感じました。

モトキチさんの個人的な感想で構いませんが、日本のcryptoeconomicsに関する理解度は海外と比較していかがでしょうか?

モトキチ
「理解度」で考えると難しいですね。良い悪いはさておき、例えば海外であっても、MIT Cryptoeconomics Labなどはcryptoeconomicsをかなり広義で捉えているように見えます。

「理解度」を評価するにあたって、自分がブログに書いたようなプロトコルデザインに重きを置く場合、「海外が秀でている」というよりも、「秀でている奴らが秀でている」という感じでしょうか笑

Cryptoeconomics LabさんやLayerXさん然り、日本でも理解度の高い組織は増えてきていると思います。

ただ、日々cryptoeconomicな議論が繰り広げられているethresearchを日常的に読んでいる日本人は少なそうです。「内容はさておき何かしら書き込んでいる人」を数えても、片手で足りるくらいかなと。そして、おそらく書き込んでいる人は十中八九自分の知人です笑

今井
その事実は非常に重要かと思います。

ありがとうございます。

cryptoeconomics – 源流の重要性

今井
cryptoeconomicsは今後プロトコルとして考慮していくべき暗号学の源流だとモトキチさんの意見に同意できるのですが、なぜそう思うのか意見を聞かせて頂けませんか?

モトキチ
暗号学の源流と言うと少し語弊がありますが、自分がcryptoeconomicsの源流を重要視する理由を端的に言うと、「サトシ・ナカモトの思考回路に近づくため」です。

cryptoeconomicsの源流は彼、すなわちBitcoinプロトコルであり、ここで経済的なインセンティブを取り込んだBFT(Byzantine Fault Tolerance)なコンセンサス・アルゴリズムが実現されました。結果、これが起点となって、現在進行形で世界は大きく動いています。

であれば、できるだけその枝葉には振り回されず、その発端となった源流とは向き合い続けるべきかなと。これは、理論家にとどまらずに社会実装までやりきったサトシ・ナカモトの姿勢に対するリスペクトや、自分もそうありたいという想いゆえでもあります。自分も1エンジニアなので。

今井
経済的インセンティブによってBFT(Byzantine Fault Tolerance)なコンセンサス・アルゴリズムが実現されたとのことですが、従来のメカニズムデザインでは解決できなかった部分を暗号学とインセンティブを用いて、解決したというよりも”迂回した”という解釈で間違っていないでしょうか?

また、それらを踏まえてcryptoeconomicsというのは、暗号学を用いたセキュリティーとインセンティブを研究する学問という認識であっておりますでしょうか?

モトキチ
「迂回」という表現はおもしろいですね。同じイメージかどうか自信がないですが、自分の言葉で表現するなら「ある前提の下で実質的に解決した」かなと思います。

これをpermissionlessかつdecentralizedな環境でやっちゃったと。経済的な合理性を踏まえて巧妙な「前提」をつくったわけです。

また、cryptoeconomicsは、過去にVladが「cryptoeconomics is economics for cryptographers」と表現しているように、源流としては、経済的インセンティブを加味した情報セキュリティについて考える学問だと思います。彼が取り組んでいるCasperの設計などはまさにそれですね。

ただ、Casperをはじめとしたコンセンサス・レイヤーのcryptoeconomicsには世界の天才達が騒めいていますので笑、自分としては、もう少し上のアプリケーションレイヤー寄りでcryptoeconomicsの考え方が活かせないかについても考えています。

今井
ありがとうございます。

ある前提において迂回ではなく解決という表現は腑落ちします。Casperの起源については再度勉強します。モトキチさんはcryptoeconomicsの定義をされていますよね。内容に全く異論はありませんが世界的な基準でcryptoeconomicsの定義というのは明確なのでしょうか?

モトキチ
Blockchain」という言葉と同様、「cryptoeconomics」についても有識者の中でも解釈は様々で、確固たる定義はないように思います。例えば、先ほども言及したMIT Cryptoeconomics Labは、「Blockchainを経済学的に考える」くらい広く解釈しているように見えます。

経済学的な要素としては、源流に近しいBitcoinやCasperなどのプロトコルデザインを考えると、ゲーム理論、メカニズムデザイン、契約理論など、ミクロ経済学寄りの知見が関わってくることが多いかなとは思います。

簡単な例としては、こちらの記事を読んでいただければなんとなくイメージしていただけるかなとは思います(続きを書かねば。。。)>> Vickrey auction に見る incentive compatibility · m0t0k1ch1st0ry

もちろん、アプリケーションレイヤーでは、マクロ経済学的な観点でそもそものトークンの性質・価値について議論することも重要だと思います。また、データがオープンになっているというのもパブリックチェーンの大きなメリットなので、計量経済学的な分析も重要だと考えています。

今井
cryptoeconomicsの定義が概念として乱立する中でモトキチさんが定義した”あるシステムに対して、暗号学によって裏づけられた経済的合理性に従った選択をプレイヤーが重ねた場合に、そのシステムが自律的に所望の性質を具備・維持できるようなプロトコルをデザインすること”

は非常に親しみやすいですね。Cryptoeconomicなプロトコルをデザインする上で、所望の性質を明確にする必要があるという部分ですが、一例あげるとするとどのような所望が考えられますでしょうか?

モトキチ
プロトコルとしてコンセンサス・アルゴリズムを考えると、先ほど申し上げた「permissionlessかつdecentralizedな環境でBFTを実現する」などがそれに該当するかと思います。また、つい先ほど貼った自分のブログで取り上げたincentive compatibilityなども所望の性質の1つかと思います。

今井
ありがとうございます。

お時間が迫って参りましたので、ここでcryptoeconomicsに関する対談を終了したいと思います。今回はcryptoeconomicsに関して要所要所ですっぱ抜いて重要性を理解いただく為に質問させて頂きました。

cryptoeconomicsに関するリサーチを終えた方々にとっては、既に既知の情報だったかもしれませんが、今回の対談をキッカケに多くの方への認知になればと思います。

最後にモトキチさん一言宜しくお願い致します。

モトキチ
cryptoeconomicsは、新しい道具を使って人間の合理性と向き合う学問とも言えると思います。人間は完全に合理的な生き物ではないので、うまくやれば、「既存の資本主義経済では非合理的かもしれないが、価値がある」ようなムーブメントを加速させるインセンティブ設計も可能かもしれません。

今日お話したような基礎(守)をきちんと抑えた上で、こういった応用(破)ができるような世界が来ると、もっとおもしろくなってくるかなと思います。cryptoeconomicsの可能性を「結果」でも示せるよう、引き続き自分も精進したいと思います。

こちらこそ色々とありがとうございます。

対談することで多くを学ぶことができました。本当にありがとうございます。

以上、本日のゲストはモトキチさんでした。

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今井 涼二

今井 涼二

2015年より暗号通貨を追及中。2018年からは大麻産業の動向も同時に追いかけています。CoinPicksでは「仮想通貨の価値」をテーマに一歩踏み込んだ情報を配信していきたいと思います。

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