cryptoeconomicsについて考える Vol.2

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経済との関係性

cryptoeconomicsという用語は、経済学全体との比較を示唆しているので誤解を招く可能性があります。
経済学は個人やグループに対するインセンティブがどのように反応するかを分析します。

cryptoeconomicsは、ゲーム理論(*1)に関連する分野であるメカニズムデザイン(*2)と共通しています。

*1:ゲーム理論:社会や自然界における複数主体が関わる意思決定の問題や行動の相互依存的状況を数学的なモデルを用いて研究する学問

*2:メカニズムデザイン:資源配分や公共的意思決定などの領域で実現したい目標が関数の形で与えられたとき、その目標が自律的/分権的に実現できるようなルールを設計することを目指している。

ゲーム理論が個人やグループがインセティブを得るために、どのような選択や行動をするのかを選択して行くのに対して、メカニズムデザインは、個人やグループがインセティブを得るためにどのような設計をするのかという部分を考えます。

ゆえにメカニズムデザインは逆のゲーム理論とも呼ばれます。

もう少し分かりやすく言い換えるのであれば、ゲーム理論は利益を追求するための戦略を自身と第三者の状況から構築していくのに対して、メカニズムデザインは利益を追求するための戦略をシステムの設計段階から考慮するということです。

cryptoeconomicsは、メカニズムデザインと同様にシステムの設計段階に焦点を当てています。

しかし、cryptoeconomicsではインセンティブを創出するために、暗号技術を使用して構築しています。
この部分が非常に重要となりメカニズムデザインとの違いになります。

前章で解説した通り、ビットコインはこのアプローチの産物です。

ビットコインがcryptoeconomicsを基に構築されていることが理解できたのではないでしょうか。
その基というのが「経済的インセンティブとペナルティ」と「暗号技術(UTXOSHA256)」になります。

Satoshi・Nakamotoは、人々がインセティブを得るために経済的合理性に基づいて選択・行動をするように設計しようとした結果、分散システムに対するセキュリティ保証を提供・維持するための基礎設計としてcryptoeconomicsが考えられるようになりました。

最後に、メカニズムデザインが万能ではないことに注目にしておきます。

上述したようにメカニズムデザインとcryptoeconomicsの違いは、「暗号技術によるインセティブ設計」があるか否かという部分であり、メカニズムデザインは、人やグループがインセティブによって合理的な行動をすると信じられており設計されます。

しかし、その設計には限界があります。

現在・将来の精神状態や状況によって人やグループは不合理な行動をとり、ポジティブなインセティブが通用しない場面があるでしょう。
その欠陥を迂回させるのが、暗号技術による安全保障と負のインセティブを考慮する、cryptoeconomicsという新たな学問です。

まとめ

今回の章では、「ゲーム理論」と「メカニズムデザイン」のインセティブを得るためのアプローチの違いを説明した後に、「メカニズムデザイン」と「cryptoeconomics」の違いについて説明しました。

前章と合わせて、ここまでご覧いただくことでcryptoeconomicsとは何なのか?
大枠はご理解いただけたのではないでしょうか。

筆者が大切だと感じるのは、cryptoeconomicsはメカニズムデザインの問題を解決したわけではなく、「迂回」という表現の方が正しいと感じます。

というのも、PoW51%攻撃もビザンチウム問題も人やグループの「ポジティブなインセティブ得たい」「ネガティブなインセティブを避けたい」という合理的な行動を暗号技術を元に避けているだけだからです。

根本的な問題解決をしているわけではないからです。

Cryptoeconomics Vol.3を楽しみにお待ちしていてください。
駄文にお付き合い頂きありがとうございます。

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今井 涼二

今井 涼二

2015年より暗号通貨を追及中。2018年からは大麻産業の動向も同時に追いかけています。CoinPicksでは「仮想通貨の価値」をテーマに一歩踏み込んだ情報を配信していきたいと思います。

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