第8回 国家通貨の発行へ「サウジアラビア編」

さて、第8回目はサウジアラビアの国家通貨発行について私見たっぷりにお伝えします。
同国を含める中東は、今メディアでも大きく取り上げられています。
今旬の中東情勢を踏まえながら、今後の動向についても言及していきたいと思います。

8 国家通貨の発行へ「サウジアラビア編」

 

サウジアラビアとは


サウジアラビアは中東最大の国土を有しており、その1/3が砂漠に覆われています。
人口は約3200万人で国王の絶対君主制 (*1) が繰り広げられる、世界第2位の石油埋蔵国です。
日本はサウジアラビアからの石油供給に大きく頼っており、日本の石油使用量が世界と比較して、高いということを知らない人も多いのではないでしょうか。

*1 絶対君主制:王様が政治における全権限を持っていること。

2015年より ”ムハンマド・ビン・サルマーン” が国王に着任し「ビジョン2030」という政策の中で「脱石油依存」を掲げています。
同王子が国王に着任してから中東は大きな変化を迎えています。
2017年11月にはサウジアラビア王子が11人一斉に逮捕されるという事件。
そして、今ニュースでも話題になっているイランとの混戦。
全ての中東異変の陰には、米国のクリントン財閥と石油利権の影が見え隠れします。
そして、不安定な情勢を危惧した国民は仮想通貨へと資産を逃しています。

 

仮想通貨規制と現在の状況


中東でも仮想通貨に対する国民の需要が高まっています。
今、サウジアラビアでは仮想通貨に対する明確な規制はありません。

2017年11月にムハンマド・ビン・サルマーンによって逮捕 (*2) されてしまった、「アラブのウォーレン・バフェット」こと、 ”アルワリード王子” はビットコインについて「規制が存在しないことが仮想通貨を危険な状態に置いている」と述べており、「私はビットコインを信じていない、いつか破綻すると思う」と付け加えています。

このコメントもまた、ウォーレン・バフェットを連想させます。

*2 アルワリード王子逮捕:表向きは汚職容疑であるがムハンマドが志向する急進的な改革に対する抵抗勢力を潰すためであると観測されている。

 

サウジアラビアの国家通貨


現在、サウジアラビアは独自仮想通貨の開発に熱心に取り組んでいるという報道は見かけるものの、その進捗は未だ不明というのが現状です。

ただ、先ほどお伝えしたように中東の経済状況は緊迫しており、既に戦争の口火は切られました。
戦争になれば、法定通貨であるサウジアラビア・リヤルはインフレに向かい、より国内の仮想通貨需要が高まります。
中央銀行や政府としても、自国の通貨の流通を防ぐために、国家仮想通貨の開発スピードを速めてくる可能性が考えられます。

その際に、何をペグ (*3) にした国家通貨を発行するのかに注目が集まります。

サウジアラビアといえば石油であり、ベネズエラの国家通貨「ペトロ (*4) 」の事例を活かすことで、ICOによる多額の資金調達が可能でしょう。
しかし、ムハンマド・ビン・サルマーン王子が石油依存の脱却を掲げている中で、石油にペグした国家通貨の発行は、ビジョンに対する矛盾に繋がるのではないでしょうか。
かといって、現状他に強みがあるわけではなく、今後の判断には目が離せません。

*3 ペグ:特定のものに、価格設定の水準を固定すること。

*4 ペトロ:ベネズエラの法定通貨は、ハイパーインフレーションによって破綻しており、米国からの経済制裁により、デフォルト寸前です。しかし、ペトロと呼ばれる石油にペグされたICOを行うことで、50億ドル以上の資金調達に成功しています。

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今井 涼二

今井 涼二

2015年より暗号通貨を追及中。2018年からは大麻産業の動向も同時に追いかけています。CoinPicksでは「仮想通貨の価値」をテーマに一歩踏み込んだ情報を配信していきたいと思います。

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