第7回 国家通貨の発行へ「アイルランド編」

さて、今回は第7回ということで国家通貨の紹介の中でも1番古い歴史を持つ「アイリッシュコイン」について紹介致します。

第7回 国家通貨の発行へ「アイルランド編」

▼アイルランドとは…


アイルランドは、人口460万人が暮らす緑豊かな「エメラルドの島」と言われており、面積は84,421km2で北海道よりもやや広いイメージです。
イギリスが最初に植民地として支配した国でもあり、1部では未だに国民の恨みが強く反英感情があります。
首都は「タブリン」で、政治・経済・交通・文化の中心地であり人口の1/4である約111万人が暮らしており、国内最大の都市でありながら、欧州有数の世界都市として重要な金融セクターの1つとなっています。
そんなアイルランドでも、その他の欧州諸国と比較して貧困率が高い傾向にあり、2007年度から急激な経済の落ち込みが始まり、特に不動産価格の急激な下落が記録されました。
また、失業率も2倍の10%に上昇しており深刻な状況に陥っている。
ちなみに日本国の失業率は2018年3月で2.5%となっています。

▼アイルランドの仮想通貨規制状況


アイルランドの税法では、仮想通貨の取引は有価証券と同様に課税対象と見なされるようで、その点を除けばアイルランド中央銀行による市場規制は一切行われていないようです。
EU経済圏では、フランスやドイツを筆頭にICOを含めた規制状況の整備を進めており、他国への依存が大きいアイルランドは影響を少なからず受けることになるでしょう。

▼アイリッシュコインとは…


2014年5月17日に発行された観光事業の推進を目的としたコインです。

まずはどのようなコインなのか説明したいと思います。

(2018.5.11調べ)
名前:IrishCoin – Version 0.8.1 BETA
トークン名:IRL
総発行量:39,865,949枚
現在発行量:35,365,949枚
時価総額:約45,366,203円
単価:約1.28円
過去最高価格:約12円
取引所:Cryptopia (クリプトピア)
プレマイン (*3) :4,500,000枚

*3 プレマイン:不特定多数の参加者にその仮想通貨のマイニングが公開される前に、開発者自身やその他の指定した主体が新規発行仮想通貨を受け取る仕組みを言います。アイリッシュコインの場合観光産業協会などが受け取っていると思われます。

アイリッシュコインはユーロの代替として発行されたものではなく、観光地で使用できるようにすることを目的としています。

▼現在と今後


最近では、アイルランドの大手の住宅デベロッパーがビットコインによる受付を検討しており、同社の担当者は、「ビットコイン決済は現金決済とよく似ている」と語っています。
また、アイルランド中央銀行は民間と共同で、ブロックチェーンによる取引やデータ報告を行うための実験に取り組む研究グループを設立しました。

このように、今年に入ってからアイルランドは仮想通貨とブロックチェーンに関する取り組みに積極的であり、欧州諸国の政府発行の国家通貨の動きを見ていると、アイルランドでは新たな国家通貨が構築されるのではないかと考えてしまいます。

言うならば、アイリッシュコインの観光産業を後押しするという切り口と発行までのスピードは良かったものの、いまいち必要性が感じられず使用するメリットに弱さを感じます。

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