イランでビットコインが高騰
イランの主要取引所EXIRでビットコインが約238万円 / 1BTCで取引されています。
同取引所の通貨単位は、イランのトマン(TMN)表示されています。
イラン・リヤル(IRR)の前身であるイランの公式通貨であるTMMは、”1TMN=10IRR”とされています。
2018年9月8日時点でのEXRI内のBTC/TMM価格は、89,500,000TMMとなっています。
これをIRR換算すると、890,500,000IRRとなります。
同日の1IRR=0.00264093円となっています。
さてビットコインの価格を計算してみます。
890,500,000IRR*0.00264093円
=2,351,748円/BTCとなります。
現在のビットコイン相場から比較すると約3.2倍となんとも魅力的な価格です。
この背景にはイランに対する経済制裁と国民の法定通貨に対する不安があります。
ちなみに同取引所内の最高価格は、2018年9月5日 10:09 約291万円でした。
米国の経済制裁とイラン
2002年にイランでウラン濃縮施設が見つかったことをきっかけに、イランが核兵器の製造と保持を抑止するために、長年の圧力と交渉の末、2015年に米国・イギリス・フランス・中国・ロシア・EUとイランは「包括的共同行動計画」で合意しました。
包括的共同行動計画によってイランは、核兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを15年間は生産せず、10トンあった貯蔵濃縮ウランを300キロに削減等大幅に譲歩する代わりに、欧米などは金融制裁やイラン産原油の取引制限などを解除することで、双方が合意しました。
しかし、米国は包括的共同行動計画(イラン核合意)から離脱しました。
そして、2018年8月7日イランに対する経済制裁を再発動しました。
これにより、イランは中国とロシアとの関係を急速に深めているようで、イランのロウハニ大統領が訪中し、習近平国家主席と会談後、米国からのイラン産原油の禁輸要請も拒む姿勢を見せはじめました。
これにより、ドル建ての金融規制を迂回した人民元の利用が広がれば、米中貿易戦争も悪化することが想定でき、本格的な反米ドルの声が高まります。
さらにイランは米国の経済制裁を回避する手段として、ロウハニ大統領の指示のもと国家主導のデジタル通貨を発行原案が2018年8月15日にまとめられました。
同国の中央銀行に加盟しているInformatics Services Corporations(ISC)が、イランCBDCの開発と設計を進めていることを明らかにしました。
このような経済的不安定から法定通貨への信頼というよりも、財産を守るための行動としてビットコインが選択されているのでしょう。
このような国にとっては、ビットコインの価格変動よりも法定通貨の価格変動の方が高いため、「価値の保存」としてのビットコインが成り立っているのです。
仮想通貨の分散型コミュニティーに参加すべし!!