テストネット上でETHの送金をやってみる
今回は、イーサリアムの「テストネット上でETHの送金手順」について専門用語を省き、事例を使いながら説明しています。こちらのレポートを読んで頂くことで、実際にテストネット上でETHの送金を試していただくことができます。百聞は一見にしかず、ETHの送金を試したことのない方は、実際に試した上で専用サイトを使用してその状態を確認してみましょう。どうぞご覧下さい。
CoinPicks Labでは、ビットコインやイーサリアムに関する理解を深めて頂くために、専門用語を使用せず、むずかしい数字も使用せず、身近な事例に例えながら、毎週金曜日にメールマガジンを配信しています。
テストネット上でETHの送金手順
前回のレポートでは、Ethereumのコードベースでの理解を深めることを目的として、MetaMaskのダウンロード方法をお伝えした上で、今後の基礎学習として「Ropstenテストネットワーク」を使用していくことをお伝えしました。
前回のレポートはこちらです。
[blogcard url=”https://atomic-temporary-106217043.wpcomstaging.com/preparation-of-metamask/”%5D
今回は、Ropstenテストネットワーク内でテスト用のETHを使用して送金テストを行ってみましょう。
①MetaMaskを開きアドレスのコピーを行います。この時、最上部のタブが「Ropstenテストネットワーク」を開いていることを確認します。
②「Ropsten Ethereum Faucet」と呼ばれるWEBページを開き、①でコピーしたアドレスをアドレスバー部分にペーストを行い、「Send me test Ether」をクリックします。
③数秒後に1.5ETHがMetaMask上に送られてくることを確認します。上記ウェブサイトでは、5秒ごとにテスト用のETHの送信が可能となっています。
④Ethereumはパブリックブロックチェーンと呼ばれ、Ethereumに関連する送受金情報は公開されています。その公開情報は、Etherscanと呼ばれるブロックエクスプローラー上で確認することができます。ウェブサイト内のアドレスバーに①でコピーを行ったアドレスを再度ペーストし、「Search」をクリックします。
⑤アドレスの検索が行われると、③で送信の確認を行った1.5ETHの公開情報を確認することができます。例えば、送信元アドレス、受信元アドレス、送金時間、送金金額、トランザクションハッシュ等の情報を確認することができます。
⑥実際にMeataMask内のETHを送信テストを行ってみましょう。MetaMask内の「振込」をクリックします。
⑦「Etherを取得する」をクリックします。
⑧「MetaMask Ether Faucet」と呼ばれるウェブサイトが開きます。同ページ内の「1 ether」をクリックすることで、MetaMaskが起動し、「確認」をクリックすることで送金が行われます。
通常は、同ページ内の「request 1 ether from faucet」をクリックすることでテスト用のETHを取得することができるのですが、2020年2月24日時点では残高がなく、 ETH を受け取れない為、②のように別のウェブサイトからテスト用のETHを取得しています。
⑨実際に送金が行われたかを確認してみましょう。送金の確認には、④で使用したEtherscanを使用することで、以下のように1ETHの送金を確認することができます。
ここまでで、ETHの送金までのテストが完了したことになります。
⑩MetaMask内の残高を確認してみましょう。はじめに1.5ETHを受信し1ETHの送信を行った為、残高は0.5ETHとなる計算です。
⑪メインページでは確かに0.5ETH(自動的に四捨五入?)と表示されていますが、右上の丸アイコンをクリックすると上記のような黒塗りのホップアップが表示され、残高が0.499958ETHであることが確認できます。0.000042ETHは何に使用されたのかというと、送金手数料として使用されました。
これは、⑨で確認を行ったEtherscanでも確認をすることができます。
⑫この送金手数料がGasと呼ばれる、Ethereumのスマートコントラクトを動かすために必要なコストです。Gasについては過去に下記URLにて説明を行っています。
Gasに関するレポートはこちらです。
[blogcard url=”https://atomic-temporary-106217043.wpcomstaging.com/turing_gas/”%5D
テストネットにもGasが必要とされる理由は2つあり、1つ目は動作を限りなくメインネットの環境に近づけるためです。2つ目は手数料が無料になると、悪質なコントラクトによって無限に処理が行われるようなプログラムが実行された場合に対処が困難になるため、対策としてGasを導入しています。
まとめ
実際にテストネット上でETHの送金を行ってみた感想はいかがでしょうか。テストネットで試して頂いた、「ウォレットに保有しているETHを指定したアドレスに送信および送信確認を行う」というフローは、メインネットでも同じように機能します。
今回のテストで実感頂きたいのは、ETHという資産を送信先のアドレスさえ知っていれば、僅かな手数料で世界中の誰にでも送ることができるという点、送受信を含むあらゆる情報が公開されており、リアルタイムで状態の確認ができる透明性があるという点、これが銀行のような集権的な組織によって管理されておらず、ユーザー間で処理可能な点など、今までとは違った方法で資産の送信ができるということです。
また、次回からもテストネットを利用して様々な基礎学習を進めていきたいと思います。