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ビットコイン発行上限を迎える2140年以降のマイニングインセンティブについて考える

ビットコインのマイニングリワード(報酬)が頭打ちになる2140年、ビットコインはどのような未来を迎えるのでしょうか?この記事では約120年後の未来について3つの観点から予想しています。この記事を読んでいただくことで未来のビットコインネットワーク最大の問題を認識していただけます。


Q:新規発行がゼロになった後のビットコインシステム維持のシナリオがよくわかりません。手数料のみでマイニングインセンティブが十分とは思えません。手数料が高騰するのでしょうか?

2140年以降ビットコインマイナーは撤退しシステムは止まるのか?

質問ありがとうございます。

非常に重要な質問であるためお答えする前に下記にて前提知識を共有して多くの方が質問の意味が分かるようにしたいと思います。

前提知識

  • ビットコインは2140年で発行上限に到達
  • 692万9999番目のブロックが上限
  • 枚数換算すると2100万枚
  • 2019年現在10分に1度12.5BTCが発行
  • 4年毎に半減期が訪れる
  • 次の半減期は2020年
  • 変更にはハードフォークが必要

以上

質問者様の言うように、現在マイニングに対するマイナーのインセンティブはブロックリワード(報酬)と手数料です。2140年にビットコインのマイニングリワードが頭打ちした際には手数料のみがマイナーのインセンティブになります。

現在(2019.02.07)の取引手数料は、$60,654/ 1日となっています。JPY換算で¥6,611,286です。一方マイニングリワードはビットコイン価格を$4,000とした時に$576,000 / 1日となっています。JPY換算で¥62,784,000です。つまり現在のところ、取引手数料はマイナーのインセンティブの約11%しかないのです。(MESSARI調べ)

確かにこれではマイニングリワードが頭打ちになれば、マイニングインセンティブはないと考えることができます。しかも今後、どれだけビットコインの取引量が増えても1日に処理できるブロックの数は約144個と決まっています。1日に144個ということは1ブロックあたり約¥45,911の手数料インセンティブしかなく、当然マイナーの損益分岐点を下回ります。

最近公表されていたBITMAINの1ビットコインあたりの費用はJPY換算で約¥343,840でした。現状1ブロックあたり12.5BTCのリワードがあるので損益分岐点は1ブロックあたり¥4,298,000となります。

ということは2140年以降マイナーは撤退しシステムは止まってしまうのか?

実はこの問題に対する具体的な対策は提案されていません。しかも、大きな問題ではあるものの日本ではあまり話題になっていません。そもそもネットワークの参加者は自身の利益を追求しているだけなので1世紀以上も先の問題で建設的な意見が活発にならないのも仕方ないでしょう。大半の人が既に亡くなっているでしょうから…

それでは、筆者の予想と界隈の予想をいれながら約120年後の未来について考えたいと思います。

 

ビットコインシステム120年後の未来予想

手数料の高騰

質問にもあるように単純に手数料が高騰する可能性が考えられます。

現状の1トランザクションあたりの手数料は約0.5ドル前後です(約54円)。

ブロックリワードが無くなると手数料収入のみで損益分岐点を越える必要があります。すると必然的に手数料の下限値が決まります。上記であげたようにマイナーの1ブロックあたりの損益分岐点は¥4,298,000となります。現状の1トランザクションあたりの手数料は約1,754円になります。現状の32倍の手数料ですね。

POINT:ただし、1ブロックあたりのリワード枚数は0に近づいていくのでこの算出方法は好ましくありません。正式には電気料金と人件費、ハード代などの実数値から計算する必要があります。

あくまで現状からの参考に…

手数料が54円から1,754円と約32倍の高騰!

トランザクション手数料が高くて騒がれていた時で400円前後だったので、それの4倍以上となると大きな問題であることには変わりありません。これを考えるとこのアプローチは最適だとは思えません。ただしライトニング。ネットワークが普及するならば話は変わりますが、今回は割愛させて頂きます。

現状の損益分岐点に関してコメントをいただいたので目を通してみてください。

 

2xxx年ハードフォークが起こる

ハードフォークはネットワークが健全な証です。

歴史は繰り返されることを学べば大きな議論時にはハードフォーク論争は付きものです(現在ハードフォーク論争を経験した人は120年後にはほぼ亡くなられていますから)。このハードフォークによってビットコインの発行上限がないものが生まれるでしょう。

しかし、そうなれば個人的にはGRINでいいのでは?と思うので現実的なアプローチとは思えませんが、これによって利益を得る人もいるので確実にハードフォークは起きるでしょう。

しかし、それが失敗するのも歴史の教えです。

 

完璧に分散化された世界

2140年ビットコインのブロックリワードがなくなれば、マイナーのインセンティブは手数料収入のみになり、それが現実的ではないことを説明しました。そうなれば大手マイニングプールは撤退を余儀なくされマイニングのプレイヤー構造は大きく変わると考えています。

プレイヤー構造がどのように変わるのかといと、大手事業者から小規模事業者へ、小規模事業者から個人へとより分散化したネットワークに回帰するでしょう。回帰という言葉を使ったのは、ビットコインが世の中に登場した2009年頃のビットコインネットワークを想起したからです。

大手マイニング事業者が撤退するのであれば、手数料収入というインセンティブを求めて小規模事業者や個人がマイニングに参加するメリットがあります。個人のパソコンの余力を使って手数料収入が自動的に発生するのであれば一定数の参加者が見込めるでしょう。そのインセンティブがビットコインネットワークをより分散化させ、より堅牢なシステムを作り上げます。

筆者が想像するにこの未来は割と可能性が高いのではと考えています。

 

まとめ

ビットコインシステム120年後の未来予想ということで、3つの予想をさせて頂きました。

まだ先の話ではありますが、非常に重要な問題で議論に値する内容だと思います。筆者が想像するに「分散化された未来」と言うのが割と考えられる未来なのではないかと思います。

他にもこんな未来があるのでは?

などの意見お待ちしております。

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今井 涼二

今井 涼二

CoinPicks Admin // CoinPicks Lab Admin // CoinPost専属ライター

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