イーサリアムの通貨単位について
今回は、イーサリアムの「通貨単位」について専門用語を省き、事例を使いながら説明しています。こちらのレポートを読んで頂くことで、イーサリアムの理解にあたって混乱のポイントとなる通貨単位について知ることができます。
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イーサリアムの通貨単位について
1.1 イーサリアムの通貨単位
イーサリアムのネイティブ通貨は「Ether(イーサ)」です。イーサの表記方法として他にも多く使用されるのが「ETH」です。他にもいくつか表記方法がありますが、上記2通りが最も一般的に使用される表記方法と言えます。
よくある誤解として、当レポートの参考文献であるマスタリング・イーサリアムが補足していますが、「イーサリアム」と「イーサ」を混同してはいけません。イーサリアムはシステムを指し、イーサが通貨のことを指しています。
イーサの最小単位は、「wei」です。1イーサは、100京wei(10の18乗)を表します。つまり、Aが保有している1イーサをBに送金する場合に、プログラム内では、100京weiという値が処理されています。
その他にもイーサリアムについて学習していくと、「kwei」「mwei」「gwei」と言った単語を目にする機会があるかと思います。kweiは10の3乗、mwei10の6乗、gwei10の9乗であると頭の片隅に置いておいてください。
前回説明させて頂いた通り、イーサリアムネットワークを動かす為には、Gasコストの計算と送金が必要です。
前回のレポートはこちら
https://coinpicks.substack.com/p/picks-report-vol24
コストの計算には、weiという単位に基づいて「Gasプライス」と「Gasリミット」と呼ばれる概念が存在しています。Gasプライスとは、取引に使用するコストの量を決定します。Gasリミットとは、取引を行う際に払っても良いコストの上限値を意味します。この概念に関しては、後程しっかり説明をしたい為、今回は割愛させて頂きます。
実際にイーサリアムをAからBに送金する為には、送金に必要なイーサとコストとしてのGasが必要であるという解釈は正しいのですが、それだと大変手間がかかります。
実際には、2種類の通貨を用意する必要はなく、コストとしてのGasはイーサから支払われることになります。つまり、AからBに1イーサを送金する為に「10gwei」必要ということであれば、0.0000000001etherをコスト分として1イーサとは別に支払うことができます。
1.2 まとめ
今回は、イーサリアムとイーサの違いについて説明をさせて頂き、イーサの最小単位「wei」について説明しました。ネットワークを悪意あるプログラムから守る為に設定されているGasには、非常に小さな単位があり、送金時にユーザーの利便性を損なわないように工夫された設計になっていることを理解頂けたのではないでしょうか。