Ethereum|イスタンブールとEIPの内容
EIPは、Ethereumの技術仕様に関する改善提案であり、ハードフォークの前に必ず議論されます。誰でもEIPを作成し、Ethereumネットワークの改善を提案することができます。イスタンブールのアップグレードでは、合計11件のEIPが提案され、そのうち6件が導入対象として選択されました。
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Ethereum|イスタンブールとEIPの内容
2019年12月6日頃(ブロック番号#9069000)、Ethereumは8回目のネットワーク・アップデートとして「イスタンブール」へのハードフォークを予定しています。イスタンブールはEthereum1.xのハードフォークの一つで、Serenity(ETC 2.0)の前に行われる予定となっております。
イスタンブール・アップデート
イスタンブールは、スパムブロックを防止し、DoS攻撃に対する全体的な耐性を高めるために、様々なオペコードのコストを変更するアップグレードを提供しています。このアップグレードにより、EthereumとZcashの相互運用性が向上するほか、他のEquihashベースの仮想通貨との相互運用性も実現します。オペコードには様々な変更が予定されており、SNARKやSTARKなどのプライバシー技術に基づくソリューションのスケーラビリティー性能も向上します。
Accepted EIP’s
EIPは、Ethereumの技術仕様に関する改善提案であり、ハードフォークの前に必ず議論されます。誰でもEIPを作成し、Ethereumネットワークの改善を提案することができます。イスタンブールのアップグレードでは、合計11件のEIPが提案され、そのうち6件が導入対象として選択されました。以下はイスタンブールの際に提案され承認されたEIPです。
EIP-152:このEIPでは、BLAKE2bハッシュ関数がEVM上で実行可能になりました。それにより、EthereumとZcashおよび他のEquihashベースのPoWコインの間の相互運用性を容易にします。BLAKE2自体は、MD5やSHAといったハッシュアルゴリズムの代替として利用できるもので、セキュリティに優れ高速に動作するのが特徴です。
EIP-1108:楕円曲線演算プリコンパイルは現在高価であるため、alt_bn128プリコンパイルガスのコストを削減します。プリコンパイルの価格を再設定することは、Ethereum上での多くのプライバシー・ソリューションと拡張ソリューションに大いに役立つでしょう。
EIP-1344:現時点でチェーンIDを特定のネットワークにどのように設定するかについての仕様はなく、クライアント開発者とチェーンコミュニティによる手動に依存しています。このEIPは、異なるチェーン間のリプレイ攻撃を防ぐためにチェーンIDを提案します。
EIP-1844:Ethereumのステートの急速な拡大により、一部のオペコードは以前よりもリソースを大量に消費するようになりました。したがって、このEIPはガス・コストのバランスを取る為に、オペコードを再価格化します。
EIP-2028:オンチェーンデータを呼び出すには、Ethereumネットワーク上でgasを支払う必要があります。EIPの一部は、ガス・コストを現在のバイトあたり68gasからバイトあたり16gasに削減し、より多くのデータを単一のブロックに格納できるように帯域幅を拡大します。
EIP-2200:オペコードのネットガスメータリング変更の構造化された定義を提供し、コントラクトでの使用を可能にし、実装と動作方法が一致しない場合の過剰なガスコストを削減します。
For Node Runners
Ethereumは、分散型のピア・ツー・ピア・ネットワークであるため、Ethereumのインフラストラクチャを実行しているユーザーは、2019年12月1日までにソフトウェアをEthereumのクライアント・バージョンを更新する必要があります。
Infuraを使用している場合は、変更する必要はありません。Infuraは、3年以上にわたって信頼性の高いEthereumインフラストラクチャを運用しており、ネットワークのハードフォーク中に大規模な更新データを処理することに精通しています。
Reference
https://consensys.net/blog/news/everything-you-need-to-know-about-the-istanbul-hard-fork/