仮想通貨に対して批判的だった国際決済銀行(BIS)の総裁が独自のデジタル通貨を発行する必要性について表明
FacebookのLibra(リブラ)が「各国の銀行業に脅威をもたらす可能性」について懸念を示しています。国際決済銀行(BIS)のアグスティン・カーステンス総裁の発言から近く、中央銀行は新たなアクションの必要に迫られるのではないしょうか?
国際決済銀行(BIS)の総裁の意見と各中央銀行の懸念
国際決済銀行(BIS)(*1)のアグスティン・カーステンス総裁は、ここ数年、仮想通貨に対して批判的なコメントや報告を発表している人物として知られておりましたが、ファイナンシャルタイムズのインタビューで「中央銀行はまもなく独自のデジタル通貨を発行する必要が出てくるだろう」との見方を示しました。また、「BISは中央銀行の中央銀行のような役割を果たしており、各国の通貨に基づいてデジタル通貨を研究開発する世界の中央銀行の取り組みを支援しており、明確な需要を示す証拠があれば、そのような製品の登場はすぐそこまで来ているかもしれない。」と述べています。
(*1)国際決済銀行(BIS):1930年に設立された中央銀行相互の決済をする組織。通貨価値と金融システムの安定を目的として中央銀行の政策と国際協力を支援している。通常業務として各国中銀の外貨準備を運用する機関投資家でもある。 – Wikipedia
このコメントは、FacebookのLibra(リブラ)による懸念の大きさを表しています。この懸念によって中央銀行が発行しようとしているデジタル通貨をCBDC(central bank degital currency)と呼びます(ベネズエラのpetro(ペトロ))。
なぜ、各国の中央銀行はLibraに懸念を抱いているのでしょうか?
Libraを懸念する中央銀行と理由
表向きの批判理由としては、「Facebookの影響力強すぎる上に、ユーザー情報の扱いが不適切である」という点を指摘しています。しかし、本当に懸念しているのは裏向きの理由である「各国の銀行業に脅威をもたらす可能性」と言えるでしょう。実際にBISも年次報告書で「Libraのイニシアチブが中央銀行の資金管理に長期的な脅威をもたらす」という懸念を表明しています。
この懸念は懸念ではなく、何らかのアクションの必要に迫られているということです。通貨バスケット制を採用したステーブルコインであるLibraが、世界の決済通貨としてキャズムを超え、大衆に使用される日が来ることがあれば、手数料と金利で成り立っている銀行は大打撃かつ、この動きは発展途上国からどんどん広まっていくでしょう(茹でガエルです)。
そのリスクが各国の中央銀行の頭を遮った後には選択肢は3つです。
- 批判する(現在のフェーズ)
- 対抗する(次のフェーズ)
- 共存する(最悪の手段)
但し上記は中央銀行が考えるバイアスです。イノベーションが起きる時いつもバイアスは壊されます。
この続きはCoinPicks Labで記載します。
最初にこの記事を読んだ時、「中央銀行はまもなく独自のデジタル通貨を発行する必要が出てくるだろう」というBISのアグスティン・カーステンス総裁の発言から本当に近く、中央銀行は新たなアクションの必要に迫られるのではないしょうか?